顧客満足度の向上Customer Satisfaction

サービス業の顧客満足のポイントを訊ねると、「親切丁寧」や「おもてなし」など、精神論的な回答を聴くことが少なくありません。「おもてなし」とは、『客人に対して心を込めて接遇、歓待、サービスなどをすることで、「もてなし」に丁寧語の「お」をつけた表現(国際おもてなし協会)』とされており、日本人の心情や日本文化に深く根付いた価値観であり、もちろん、当社としても大切にしています。

しかし、会社として戦略的にブランドへの満足度を高めるためには、経験と感性によるおもてなしだけでなく(それも重要ですが)、数値に基づいた具体的なプロセスによる組織的な仕組み作りが不可欠です。

より具体的に言うと、ブランドへの顧客満足度を向上させるためには、自社が提供するブランドの価値を明確にしたうえで、以下の4つのステップを構築することが不可欠です。

  • 評価基準(ゴールの設定)
  • 提供プロセス(カスタマージャーニーマップの最適化)
  • 必要能力(スキルセットとマインドセットの整理)
  • 貢献意慾(インターナルマーケティングの実践)

評価基準(ゴールの設定)

ブランドに対する満足度向上の第一歩は、実際の満足度を数値で把握し、その数値への影響要素を組織全体が理解することです。そのため、なぜ(どんな目的で)、何を(どんな評価指標で)、いつ、どこで、誰に、どうやって確認するかを決定し、調査を実施しましょう。

評価基準(ゴールの設定)

注意点は、自社ブランドの特性に照らし合わせることです。

インターネットで調べれば、様々な評価指標が載っています。しかし、チャネル、価格帯、ブランドアイデンティティなどによって、適す指標や調べ方は全く違います。例えばNPSを調査する場合、スコアが実態と乖離しているように感じるのであれば、「過去1年以内で、実際に誰かに紹介したことがありますか?」といった質問を重ねることで、より精度の高い回答を得られる可能性もあります。

このように、一度の調査で十分な情報の収集に成功することは稀ですが、トライ & エラーを続けることで、自社ブランドの特性に合った評価指標を浮かび上がらせていくことが重要です。

当社では、ブランド価値と有機的に結び付く評価指標の選定と評価方法の設計を行うことで、貴社の事業に有効な評価情報の収集を支援いたします。

提供プロセス(カスタマージャーニーマップの最適化)

広告 → 購入 → 支払 → 配送など、個々のオペレーションはしっかりと回っていて、実際にクレームも起きていないのに、なぜか全体としての評価指標が伸び悩んでいる、といったことはないでしょうか?

提供プロセス(カスタマージャーニーマップの最適化)

お客様が商品やサービスを利用する際、その満足度は、個々のオペレーションだけでなく、オペレーションとオペレーションの繋ぎ目まで含めた「ブランド全体」で決まります。そのため、ブランド全体として顧客満足度を高めるためには、お客様が自社の情報に初めて触れてから離脱するまでの間、いつ、どこで、どのような情報に触れ、どのようなリアクションを取るかを描いた鳥瞰図(これを『カスタマージャーニーマップ』と言います)を作成する必要があります。

カスタマージャーニーマップを作ったら、部門横断的に連携しながら、非効率を解消し、理想のブランド体験に近づけて行きましょう。顧客満足度を高めるためには、それぞれのタッチポイントで自社の目指すブランド価値を最大化するための仕組み作りを作るとともに、カスタマージャーニーマップ全体を分かり易くスムーズにして行くことが重要です。

当社は、様々な導線のカスタマージャーニーマップの作成を支援し、現状と在るべき姿を明確化します。

必要能力(スキルセットとマインドセットの整理)

顧客対応の現場においては、常に、生のお客様を目の前にした臨機応変な対応が求められ、その都度マニュアルを紐解いたり上司にお伺いを立てたりしていては、高品質なサービスの提供はできません。ブランドへの顧客満足度を高めるためには、サービス提供に必要なスキルとマインドを明確化し、社内に周知し、従業員をトレーニングして行くことが不可欠です。また、臨機応変な対応のために必要な権限を整理し、スキルとマインドに応じて権限移譲することも重要です。

必要能力(スキルセットとマインドセットの整理)

当社では、このスキルセットとマインドセットを更に具体化し、行動指針、推奨行動規程、非推奨行動規程などを作るようにご支援しています。そうすることによって、『求められている行動とやってはいけない行動』が誰にとってもはっきりと分かるようになりますし、採用や教育でも、自社のブランド体験と整合した取り組みを行うことができます。

貢献意慾(インターナルマーケティングの実践)

顧客対応において、ブランドに対する顧客満足度を高めるためには、社内に対するマーケティングアプローチである『インターナルマーケティング』が極めて重要です。

貢献意慾(インターナルマーケティングの実践)

従業員は、自社の商品やサービスに最初に触れる存在であり、商品やサービスは従業員を通じて顧客に届きます。ですから、従業員が商品やサービスの提供プロセスを理解し、商品やサービスに満足し、その良さを心から信じ、組織に対して愛着をもっていなければ、従業員の先にいる顧客に高い満足を提供することは極めて困難です。

当社では、商品やサービスの良さ、そこに込められた想い、お客様へのメッセージなどの明確化を支援します。また、それらの想いやメッセージを、社内に対しても戦略的に発信し、自社の方針や制度と整合させることによって従業員に浸透させ、従業員を通じて顧客に伝えられるようにして行きます。

ご相談はお気軽に

顧客満足度の向上は、キャンペーン、割引、個別対応などの一つ一つの“点の活動”で語られることが多いですが、ゴールに向け具体的かつ一貫したロードマップを描き、定量・定性の両面で評価をしながら、継続的に修正して行くことが最良の方法です。
まずは、貴社の課題感とすり合わせのため、お気軽にご相談下さい。